20131129

レンズを通して世界を覗く





夢という言葉は少し軽い印象を与えるかもしれないけど,
僕の中に夢と呼べるものがいくつかあるとすれば,
その夢が1つ週末に叶う.


どんな手段を用いても,
どんな領域に関心があっても,
それは個人の自由だと思う,


でも自覚的に,あるいは無自覚に抱え続けた
アイデンティティクライシスを抜け出し,
心の底から作業療法の尊さに気付くためには,
Occupation Centered の視点を持っているかどうかだと思う.


おそらく作業療法士として最も大きなパラダイムシフトは,
Occupation Centered のレンズで世界を覗いた時.
僕にその眼鏡を与えてくれた学問は,もちろんOSだった.


昔,「作業の勉強を一緒にやろう」と
パラダイムシフトの機会をくれた科長が総合司会.
いつも一緒にディスカッションした後輩達が実行委員のコアメンバー.


多分,あの日,作業科学の「さ」の字も知らない時から共闘したメンバーと
週末に同じ舞台に立った時,色々なことを思い出して,何度も泣きそう.


いつか必ず福島でOSセミナーをやりたい.
いつか福島にOSの大切さを伝えたい.


もしも実現する日がいつかくるならば,
あの日のメンバーと,
福島の作業療法の未来を担うメンバーと,
一緒に作りたい.


全部叶った.


そして,北海道のAMPS講習会で,
「一緒に福島のOTを盛り上げようぜ」と誓った兄貴,木田佳和先生が特別講演.


僕の作業療法士としての人生に大きな影響を与えてくれた
COPMを作ったヘレン・ポラタイコ先生が基調講演.


「作業療法とは適応の科学である」
僕の大好きな言葉を残した佐藤剛先生を記念する講演が齋藤さわ子先生.


研究・実践報告が11題.演者は皆,僕の尊敬する先輩や後輩ばかり.
ADOCを使用した実践報告も多数エントリーしている.
ワークショップは,昔共に学びあった後輩がプロデュースしてくれた.


さらに,事前参加登録は232名.
そのうち,およそ130名がJSSOの非会員.


裾野を広げることが僕の中での1つの目標だったから,
新規の方がたくさん参加してくれることもとても嬉しい.


そういえば…


受付で皆の渡す観光ガイドの袋詰は,
僕のクライエントがやってくれた.


僕がいない時間に作業療法室に来て,
300部を作ってくれたんだよ.


そして,セミナーのメイン会場正面の看板は,
郡山市内の病院で,以前OTを経験したクライエントが毛筆で書いてくれた.


多くの人が,たった2年数ヶ月の間に,
作業的存在として絶望,混乱,再建を経験した福島は,
作業について考える最もふさわしい場所だと思っている.



第17回作業科学セミナーまであと1日.





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