20111208

shared decision-making

日々の臨床場面で作業療法を実践していく中で,
「意思決定の共有」の重要性を強く感じる.


「意思決定の共有」を重視することで,
効果的な恊働関係が築けた事例が沢山ある.


でもそのプロセスは,単純に「説明」と「同意」で
成されるものではないと思う.


形式だけの「契約」は,法的な基準や倫理的問題をクリアするだけ.
仮に面接や各種評価で詳細にクライエントの意味のある作業や
その作業遂行文脈に触れることができたとしても,
その内容の価値をOTのみが認識しているとしたら,
それはやはり意思決定の共有とは言えないと思う.


「共通の理解地平の確立」にもあるように,
クライエントとOTが,
お互いの地平に留まっていられないくらいに
あらゆる先入観や価値観を排除して,
真の意味でクライエントを理解し,
そのプロセスの先に恊働関係を築きあげ,
目標や,解決に向けた手段における意思決定を共有していく.
そんな流れが僕の思い描く理想.


多くの場合,クライエントは
作業療法を知らない状態で処方を受ける.
だからまずは作業療法とは何なのか?
そして両者の関係性を明確にする必要がある.
「作業に焦点を当てた関係性」のもとに
共通の土俵に上がらなければいけない.


多分この時点でつまずくことが多いんじゃないかな.
OTはクライエントの作業に関心を持っているけど,
クライエントは自分の作業に全く関心がない.
そんな認識のズレがあるまま評価や介入が進んで,
いつも悶々としているような…


ADOCは,作業療法のプロセス全てに効果的なツールだと思う.


イラストを使用することでクライエントが作業を想起しやすい
ことがよく言われるけど,
それ以前にADOCというツールを使用することで,
作業療法とは何なのか?その答えを示してくれる.


また,最初からICFの「活動と参加」の項目を中心に
構成されたイラストを使用して面接を進めるから
自然にクライエントをOTが,焦点を当てるべき領域を
一緒に向くことができる.


クライエントに作業療法の説明を行う.
OTが何をしたいと思っているのかを伝える.
共通の理解地平を確立する.
共に目標を決める.
共に支援内容を決める.


意思決定の共有には,
これだけの要素が内包していなければいけないと思う.


ADOCはそのプロセス全てをアシストしてくれる.


「作業療法士はクライエントの指導者や教師ではなく,
あくまでもパートナーです」


就職したての頃,
この言葉の意味があまりよく分からなかった…


あくまでもクライエントの主体性を重視しながらも,
専門職として必要な支援はしっかりと行う.
そんな一見相反する関係性を表現すると,
やっぱりパートナーという表現しかないんだと思う.


その恊働の媒体とは
勿論クライエントの人生…


意味のある作業を軸に,
良循環を取り戻したいクライエントの人生…


「意思決定の共有」という言葉を大切に使いたい…








ADOCのアイコンを見てほしい…










二本の稜線が交わり一本の矢印に集約されるイラストは

とても大切なメッセージ











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