20110326

reconfirm 3






動機付けが協力と同一であると見なされることはよくあり、もし誰かがセラピストの目的に協力していればその人は動機付けが高いに違いないという暗黙の仮定がなされる。義務を怠る非協力的な人は動機付けがないというレッテルを貼られる。しかし現実には、自分が価値をおく目標に向かって取り組むのであれば強く動機付けられるかもしれず、一方、他者がその人の問題を決めてゴールはこうあるべきだと定義したら、クライエントは拒否するかもしれないのである(Hammell,1995a)。


「変化をもたらすのに必要な身体的または精神的努力の量、即ち、”変化費用(change cost)”が、起こり得る成果に対するクライエントの価値感と釣り合わない場合は、動機付けは低くなるであろう」との示唆がされている(Hammell,1994a)。


これは、作業療法の目標や活動でクライエントにとってほとんど価値を持たず、その人生にとって重要でないと評価されたものは、動機付けの低い、成果の乏しいものになるであろうことを意味する
(Jordan,Wellborn,Kovnik,&Saltzstein,1991)。Abberley(1995)は、クライエントの現実の視点をセラピストのそれに合わせるための適合プロセスに作業療法士が主に関与していることを観察し、「作業療法の理論では、このプロセスは教育的と見なされる」とした。クライエントにとって意味のある目標設定または変化費用に値する目標を設定するにあたって、作業療法士がクライエント自身の関心事、価値、目標、さらに、その人生における障害の衝撃や意味について把握することは、根本的に重要なことである(Hammell,1995)。従って、真の協業モデルをめざして評価と介入計画案について力関係を再調整することは、パートナーである両者にとって動機付けのレベルを高めることになろう。「動機付けは・・・精神性とリンクしており、行動の基本として、人の意志を引き出し保つことの必要性を認識する」(Health Services Directorate and the Canadian Association of Occupational Therapists,1993)。



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