20110310

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リハビリテーションプログラムは伝統的に、生活世界(life-world)に関係のない技能を教え、また介入のための戦略の開発を探求してきたが、それはあらかじめ決められたスケジュールに固執するものであった(Hammell,1995a)。このように、「個人の日々の日課(routines)と義務を維持するために必要」な能力に取り組む代わりに(Keith,1995)クライエントは、実社会の文脈においてはすぐに不要なものとなってしまう技能を教えられてきた(Rogers & Figone,1980;Weingarden & Martin,1989;Yerxa & Locker,1990)。クライエントの診断名は同じでも、介入はその特有な環境、ライフステージ、および個人の目標に適用可能でなければならず、さらに障害が本人にとってどのような意味を持ち、また、本人の人生においてどのような位置を占めるかを考慮しなければならない。



民俗学の記述は、年配者は自分の過去のアイデンティティを保ちこれらを未来に持続するために大変な努力を払っていることを示唆している。世間の目の中に自分の低くなった地位を感じ、彼らは以前のアイデンティティを、おそらく職業、家族、あるいは親業(parenting)に基づいて呼び起こし主張することによって、過去の生活との連続性を示そうとする(Cohen,1994)。この人生の連続性への関心についてGiddens(1991)は、人間は自らの過去と未来の生活を、自分が物語りの作者となることを通してつなぎ合わせようとする、とした。この人生の連続性と再構築というプロセスは社会的文脈の中で起こり、作業療法の介入を行う上で重要な意味を持つ。



病気や障害を崩壊的な人生の出来事と捉えることは、作業療法士が個人とその家族の生活歴の崩壊の意味を考えるように促す。このように介入は、単に生物学的な状態に向けられるのではなく、人間の動機、価値、信念、および個人にとっての障害の意味の世界にまで向けられる。例えば、脳卒中、重度の頭部外傷、または脊髄損傷を負った者では、障害を負ったまま半永久的に人生がもとの形には戻らない(Mattingly,1991a)。人生の再構築は人生に連続性と意味をもたらすことを目的とし、病気や障害が生活に織り込まれて統合され、人生の主題ではなく織り地の一部となるようにする(Corbin & Strauss,1987)。崩壊や喪失に関する問題に優位に焦点を当てるよりも、もっと有用な戦略として示唆されるのは、クライエントが連続性のある要素を特定しそれに取り組むのを作業療法士が援助することである。




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