20110203

暫定という前提・・・



後遺症を有し作業機能障害に陥ったクライエントに対して、失った能力や、その能力を構成していた機能を回復するために、必要と思われる訓練を行いパフォーマンスの向上を図る・・・

確かに大切なことだと思う。でもそれは、「今は色々な問題があって大切な作業ができないけれど、出来るように練習すれば、またあの大切な作業が出来る。だから今は頑張ろう」という揺ぎ無い意思を前提にしか成り立たないこと・・・

意思なんてものは、一瞬たりとも固定されることはなくて、環境や習慣が変われば、いつの間にか変容してしまうもの・・・だから暫定的な今を、しっかりと未来の自分らしさに繋げるためには、目標をクライエント自身が決めることが必要なんだと思う。クライエント自身が大切な作業を見据えて、今はその可能化にむけた、暫定的な”今”なんだと認識できることが大切なんだと思う・・・認識し続けることができるような”環境因子”でいることがOTの大切な役割だと思う・・・

でも・・・作業の価値を支えているものって、遂行する人間のパフォーマンスだけじゃないと思う。人それぞれ上手くできなければ価値がない作業もあると思うけど、作業すること自体が好きだったり、その作業経験を他人に話すだけでアイデンティティのある程度を維持できたり・・・パフォーマンスの優劣に関係なく、決まった時間にその作業をすることが、自分を組織化したり・・・

だからOTは、”作業をできるように支援すること”と”作業をすること”の両方の意味をいつも考えなければならないんだと思う・・・

今は主体的に何も決めない、何もしない、先生の言うことを聞いて頑張るだけ・・・暫定を前提にして努力して・・・いつの日か自分らしく!・・・・・・・・・そんな人間単純じゃないでしょ。







この間娘が色鉛筆を何本か無くしちゃったって騒いだな・・・・

あの色がないともう描けない!新しいのを買ってくれって騒いだな・・・

でも残ってる色で色々描いてあげたら、無くした色なんて忘れて夢中になってたな・・・

もし新しい色鉛筆を買う日までお絵かきをしなかったら・・・

娘は文房具屋さんで、何を欲しがったのかな・・・

文房具屋に行ったのかな・・・




その答えは決して分からないけれど・・・

無くしたときは、”新しい色鉛筆を買ってもらうこと”ばかり考えていた娘が・・・

その後すぐに少ない色で楽しそうに絵を描いていたってこと・・・

こんど新しい色鉛筆を買ったら、新しい色でいっぱいお魚を描くんだって笑っていたこと・・・

今日も楽しそうに絵を描いて、僕達に見せてくれたってこと・・・







娘はお絵かきしてるとホントいい顔してるな~
目の前のクライエントは?
















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